革にストーリーを刻む、谷まりあの愛用品。

谷まりあ(モデル、タレント)

スタジオでシューティングが始まり、その表現力に圧倒された。バラエティ番組で見せる明るく弾けた笑顔はなく、シャッターを切るごとに顔や身体の角度を変えて、無邪気な眼差しを見せたかと思うと次の瞬間にセクシーな雰囲気を纏い、さまざまな表情を繊細に表現してみせる。「モデルの仕事は自分に向いていると、年々思うようになっています」と語る谷まりあさんが、ファッションモデルや芸能の世界に強く憧れたのは、大学を目指していた浪人生の時だったという。

ストーリーをともに紡ぐ、革のバッグ。

「朝から晩まで塾で勉強して、昼休みにファッション誌を読んでいました。雑誌を開くと、まったく違う世界に行ける。自分にとって癒やしであり、夢をくれる存在でした。一日中勉強して家に帰り、テレビをつけると笑顔のタレントさんがいて、その笑顔を見ていると元気が出てきて、私もそんなパワーを与えられる人になりたいと思いました」

早稲田大学に入学し、その夢は瞬く間に叶う。ファッション誌のモデルに抜擢され、同時期に人気テレビ番組「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)の出演が決まった。学業と芸能の仕事を4年間両立し、大学卒業時に買ったのがクラシカルな黒いレザーのバッグだ。

「長かった学生生活が終わり、これから社会人になる、その記念にバッグが欲しくて、これを見た瞬間に即決でした。Tシャツやデニムはもちろん、どんなスタイルも完璧にして、女性をきれいに見せてくれるバッグだと思います。いまでも表紙撮影など大切な日には、験担ぎのようにこれを持っていきますね。革だから何歳になっても使えるし、いつか自分の子どもができた時に、4年間頑張った思い出やエピソードとともに譲ってあげたいと思っています」

自分の個性に似合うライダース。

モデルとして、タレントとして目覚ましい活躍をする谷さんだが、自身のルックスについて悩んだ時期もあったという。

「モデルを始めたばかりの頃、周囲は細い体型の子ばかりでした。私はどちらというとカーヴィな体型で、大きめの服を着て隠して目立たないようにすることもあったんです。でも、このラインこそ自分らしさかもしれない、この体型を楽しもう、と思えるようになって、いまでは自信を持ってポージングできるようになりましたね」

そんなふうに自分自身を認める強さは、物を選ぶ際にも生かされている。黒が定番のレザーのライダースジャケットは、あえてニュアンスカラーを手に入れて、谷さんらしくグラマラスに着こなした。

「偶然入ったお店で、ラスト1着だったこのライダースに出合ったんです。こんなニュアンストーンだったら、ライダースでもカッコよくなりすぎず、可愛くも着こなせるし、ちょうど身体にもフィットしたので購入しました。5年くらい前に買ったものですが、革だからいい状態をキープできるし、長く大事に着ていきたいです」

父から贈られた革のグローブ。

「楽しんで頑張っていれば、できないことはないって思っています。挑戦することも怖くない。両親がそんなふうに教育してくれたのかもしれません」と、朗らかな笑顔で語る谷さん。パキスタン人の父からは「プリンセス」と呼ばれて育てられたという。その父からのプレゼントである革のグローブも、大切な宝物だ。

「2年ほど前に家族でクリスマスディナーをした際、父が妹と私をショッピングに連れていってくれたんです。父は小物使いがとても上手で、ジャケットにスカーフを合わせるおしゃれな人なのですが、こんなファッションも素敵じゃない?とアドバイスしてくれて、このグローブを買ってくれました。デイリーに使っていますね」

インタスタグラムのフォロワー数は201万人を超え、いまやスタイルアイコンとして身に着ける服や小物も注目される存在。ものを買う際に大事にしていることを聞くと「自分の可能性を広げてくれるもの」と即答。

「これを持ったらいままでと違うスタイルに挑戦できたり、新しい自分を発見できたり、選択肢を広げてくれる、そんな可能性を感じる出合いは大切にしたい。革の魅力は長く使えて、自分の個性に染められるところ。自分の人生と重ねて使っていけば、世界でたったひとつの大切なものになり、次の世代にも受け継いでいける。人生のストーリーとリンクさせながら使い続けていきたいです」

谷まりあ  Maria Tani
1995年7月28日生まれ、東京都出身。早稲田大学商学部卒業。「ViVi」(講談社刊)専属モデルとして活動。日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」で人気を博し、ABEMA「恋愛ドラマな恋がしたい」レギュラーMCも務める。2018年、ドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」に出演。21年、LINE NEWS VISION「クロエの流儀」でフランス人少女クロエ役で初主演。インスタグラムは201万人を超えるフォロワー数があり、スタイルアイコンとして年代や国籍を問わず支持されている。
https://talent.platinumproduction.jp/tanimaria
Instagram:@mariaaaa728

1,6-8カット目:
トップス、パンツ/ともにエストネーション ピアス、ネックレス/ともにアンブッシュ®(アンブッシュ® ワークショップ) バッグ/ロジェ ヴィヴィエ(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン) パンプス/ザラ(ザラ カスタマーサービス)

2カット目:
ブレザー、スカート/ともにザラ(ザラ カスタマーサービス) イヤリング/ソフィア 203(エストネーション) ネックレス2種/ともにベンアムン(バーニーズ ニューヨーク カスタマーセンター) ブーツ/ロジェ ヴィヴィエ(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)

3-5カット目:
トップス/アレキサンダーワン スカート/オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー™(イーストランド) ピアス、ネックレス/ともにアンブッシュ®(アンブッシュ® ワークショップ) ミュール/ロジェ ヴィヴィエ(ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン)


●問い合わせ先:
アレキサンダーワン tel:03-6418-5174
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エストネーション 0120-503-971(フリーダイヤル)
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ロジェ・ヴィヴィエ・ジャパン 0120-957-940(フリーダイヤル)

photography: Kae Homma styling: Kozue Anzai hair and makeup: Atsushi Takatori (SPEC)  interview & text: Maki Shibata

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