野生動物の命を生かす、唯一無二の美しい革小物。

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東京・台東区のかっぱ橋道具街の路地裏に、ギャラリーショップ「と革(TO-KAWA)」はある。店頭には、軽くて滑らかな鹿革を使ったがま口ポーチや、熊革の丈夫な長財布などが並ぶ。手がけたのは、元ファッションスタイリストの高見澤篤さん。野生動物の皮が捕獲後に捨てられていることを知り、命を生かす方法がないか、と考えた。「ジビエ革」と名付け、オリジナルの留め具を作り、革に開いた穴も生かして唯一無二のアイテムに仕上げている。東京・早稲田のレストラン「脳裡」のシェフ、五十嵐俊介さんも、高見澤さんが作る「ジビエ革」アイテムに魅せられたひとり。「店ではイノシシの革を漆で仕上げた皿を使っています。水に強く油染みもなく、割れにくくて、機能的にも優れています。野生動物そのものの、一枚一枚異なる表情に惹かれます。皿にインスパイアされて、新しい料理が閃くこともあるんです」

と革 TO-KAWA
2018年にオープンした、革と革にまつわるものを取り扱うアトリエ兼ギャラリーショップ。高見澤篤さんが2006年に立ち上げたレザーブランド「シス クー・ド・フードル(Six COUP DE FOUDRE)」を軸に、国内外の作家や地域に焦点を当てエキシビジョンを実施し、現代社会の中で革の在り方を探る場に。不定期営業なのでインスタグラムをチェック。
http://to-kawa.com
Instagram:@tokawa2298, @atsushitakamisawa
五十嵐俊介 Shunsuke Igarashiさん
「脳裡」オーナーシェフ
1982年生まれ、岩手県出身。東北のイタリアンやビストロで料理を学び、アジアの先住民族の生活や郷土料理に興味を持ち、アジアをバックパッカーとして回る。帰国後、東京の代々木上原のレストランを経て2019年に「脳裡」を開業。コンセプトは”素材を生かした料理と自然葡萄酒”の店。扱う素材は豊洲市場で買い付けた魚介類や、故郷の岩手県から届くキノコや山菜など山の香り、山に生きる蝦夷鹿やヒグマ、月輪熊、猪など。 “身土不二” “一物全体”の理念のもと、素材の育った環境の風土から連想して料理を仕立てる。
Instagram:@nouri_tokyo

photography: Kae Homma, styling: Natsumi Ogasawara, Text: Maki Shibata

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