シンプルで機能的な、理想のレザーウォレットを求めて。

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欲しいものは“買う”のではなく“作る”という環境で育ったという、リュトモス(RHYTHMOS)の革職人兼デザイナーの飯伏正一郎さん。独学でレザークラフトの道へ進み、雑貨店の依頼で革小物を作ったり、紳士服のテーラーで革職人として働いたりする中で、財布を注文する人が圧倒的に多いことに気付く。「どうしたら理想の財布を作れるのか」。銀行を訪れる商店主が手にする、カードや通帳が入った機能的なポーチから着想を得て、2008年にリュトモスの定番ウォレット「ジップ(ZIP)」が生まれた。素材は長い使用に耐えられ、手になじんでいく国産レザーを使用。ごくシンプルな構造に工夫を凝らし、ミシン縫いより丈夫な手縫いで仕上げ、現在までデザインは変わらない。「主役は革です。リュトモスの製品がシンプルなデザインに徹しているのは、修理しやすくするため。食肉の副産物であり、動物たちの命の贈り物である革を百年でも長く使ってほしいから」。そう語る飯伏さんと同じ鹿児島出身のプランニング・ディレクター、坂口修一郎さんも「ジップ」の愛用者。「『ジップ』シリーズの財布は、これまでさまざまなバージョンをメンテナンスしながら10年以上使い続けています。Lサイズはお金からカード、領収書、パスポートまで入るので、海外に出かける時は必ず持っていきます。着いたら現地の通貨を『ジップ』Sサイズに入れてポケットに。日常生活でも街から街へ移動の多い生活を続けているので、必ずいくつかのバージョンの『ジップ』がラゲッジに入っています」。ほかにも磁器カップと革のホルダーのセットやキーホルダーなど、シンプルで使いやすさにも配慮したリュトモスのアイテムに要注目だ。

リュトモス RHYTHMOS
鹿児島市内のアトリエで、すべて手作業で作り上げるレザーブランド。老舗紳士服テーラーのレザー職人だった飯伏さんが2010年に独立してリズム(RHYTHM)を設立、15年にリュトモスとして工房を併設したショップをオープン。キーホルダー「タグ」はホテルのドアサインをイメージ。鹿児島の磁器ブランド「ワンキルン(ONE KILN」とコラボレートした「ラテ」は、紙コップに見立てた磁器と革のホルダーを組み合わせた。制作時に発生する革のハギレを再利用して作るセカンドライン「レフトオーバー」も始動。
https://rhythmos.co.jp
Instagram:@rhythmos_handcraftedleathers
坂口修一郎 Shuichiro Sakaguchiさん
プランニング・ディレクター、BAGN, Inc.代表
1971年鹿児島生まれ。無国籍楽団ダブルフェイマスのオリジナルメンバー。2010年より鹿児島でクロスカルチャーな野外イベント「グッドネイバーズ・ジャンボリー」を主宰。BAGN(BE A GOOD NEIGHBOR) Inc.代表として現在は東京と鹿児島の2拠点を中心に、日本各地でオープンスペースの空間プロデュースやイベント、フェスティバルなど、ジャンルや地域を越境しながら数多くのプロジェクトを手がけている。リュトモスのデザイナー・革職人の飯伏さんとは10年以上にわたり「グッドネイバーズ・ジャンボリー」主宰メンバーとして一緒に活動。

photography: Kae Homma, styling: Natsumi Ogasawara, Text: Maki Shibata

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