日本の技術と素材にこだわり、オブジェのような美しいバッグを。
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マロウ(MARROW)のデザイナー、山本加恵さんは美術大学でファッションを学び、アパレル企業のデザイナーとしてキャリアのスタートを切ったが、「手を使って立体的なものを作りたい」と服飾雑貨のデザイナーへ転身。さまざまなバッグを制作していく中で、日本の革小物の技術力の高さを知る。「繊細で行き届いた日本の技術と素材を使い、もっと洗練されたバッグを」と2016年に自身のブランド、マロウをスタート。人気の「ベント(Bent)ポ―チ」は、英語で「曲がった」という意味を持つ。バッグの底のユニークな曲線は、2枚合わせの革をつまんで縫い上げる職人の高い技術によるもの。折り紙の発想から生まれたストラップ付きの「ストリングパース」は2枚の革を圧着させたデザイン。姫路で鞣された革はオリジナルの色にこだわり、今季は日本の伝統色、鶯(うぐいす)色や朱色が登場。シンプルながら研ぎ澄まされたシェイプと素材の美しさが際立ち、小さなオブジェのような趣も。「どうしたら手にする人に高揚感を与えられ、ときめきを生み出せるのか、いつも考えています」と山本さん。モデルの小谷実由さんは黒の「ベントポーチ」に魅せられたひとり。「形が可愛いのでアクセサリー感覚で身に着けたくなるんです。大きなバッグを持つ時には、頻繁に取り出す財布やリップなど小物だけを入れて使います。散歩に行く時は、このポーチだけでばっちり。黒は、何歳になっても使える色だしどんな場面にもマッチしそう。革製品は使えば使うほど味が出てくるので、これからどんな変化を見せてくれるのか楽しみです」
- マロウ MARROW
- ブランド名の「MARROW」とは、髄、核心、力などの意味。革や真鍮、縫製まで日本製にこだわる。ミニマルで洗練されたデザインを基本に、使う人の背筋が伸び、日常の景色を変えていけるようなバッグをとの思いで制作。ジュエリー用のギフトボックスから着想を得た定番バッグ「ピロー(PILLOW)」など、日常のワンシーンからデザインの発想を得ることも。
https://marrowjapan.com
Instagram:@marrow_japan
photography: Kae Homma, styling: Natsumi Ogasawara, Text: Maki Shibata